
国民の館までは、歩くとかなり遠い。貧しい国だし、人気の無い場所は少し恐かったが、急いで歩いた。なかなか発見できずにいたが、やがて国会議事堂よりもっとデカイ巨大な真っ白な建物が見えて来た。正門と見られるところから入ってみる。日本人観光客はオレしかいなくて、欧米人も少ししかいなかった。だが、入り口の所で、温泉にでも来たかの様なノリの、朝鮮系と見られる元気なおばさんが、なにやら写真を撮ってくれと頼んできた。な、なぜ、こんな所に、このようなオバさん達が?それも、相当なハシャギよう。多分、宮殿を見て舞い上がってるんだろう。一瞬、ここがルーマニアであることを忘れてしまった。もしや、北の人間では、と頭をよぎった。コワイ。
入り口では、まるで空港の搭乗手続きのような、物々しい機械があり、検査された。写真撮影代は、3600円分くらい取られた。一日の給料500円位の国なのに、取り過ぎじゃねーのと思った。中に入るが、自由行動は許されないので、一人のガイドと一緒に団体行動をする。ものすごいシャンデリアが沢山有り、石の産地で有名なだけあって、いろんな石材を超贅沢に使っている。パリのなんとか宮殿のまねをしてるのは、間違いないが、あまり人が使った形跡がないのと、まだ比較的新しいこともあって、田舎のチンケなラブホテルにでも来ている気分だった。でも、やっぱり、よく見ると半端でない物量を使用している。
でかすぎて、一人で来ていたら絶対迷うだろうが、地下シェルターや、ブカレスト中に自由に行ける秘密の地下道があるという噂(ほとんど事実)なので、便所に行くふりをして、散策してみた。地下に続く階段を見つけたが、恐くなって、写真だけ撮ってもどってきた。ブカレストの地下には、全長80キロにも及ぶ、秘密の地下道があり、ルーマニア革命の時には、チャウシェスクの親衛隊が、いきなり、どこからともなく現れて、新政府軍に最後の抵抗をしていたという。
英語のガイドは、半分くらいしかわからないので、オレだけ遅れて歩く。ガイドの目を盗んで、カーテンをめくったりしてみた。その瞬間びっくりする光景(でかい方の写真)を目の当たりにしてしまった。内部の金ピカな装飾に目を奪われ、誰も気付いてなかったけど、中庭は、革命時に工事がストップしたまんま、放置されていた。工事用足場とか、サビついてしまっている。隠れて、バシバシ写真を撮ってしまった。歴史が止まっている。すげー。 つづく